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2007年12月

リユニオン

今回のレッド・ツェッペリンの再結成、演奏前の下馬評ではあれこれ取りざたされたが、(各種メディアやようつべ等で確認する限り)期待にそぐわぬ出来で、古くからのファンとしては、まあ「恥かかないで、ほっとした」といったところか。

とにかくツェッペリンというのは、単に同一メンバーだかとか、同じ楽曲だからとか、そういった前提条件を超えたところでの演奏が奇跡を産んでいたのだ(説明不足だな、はは。そういう時はツェッペリン評論家/渋谷陽一先生に語っていただきましょう ⇒ http://www.rock-net.jp/shibuya/zep.html)。

     既に
     起きてしまった奇跡は
     取り戻せない
     新たな奇跡を
     生み出す他ない

あたりまえだけど、終わったバンドは都合よくやり直せないし、死んでしまった者も蘇生しない。ツェッペリンの場合は、バンドの核となる(といっても全員が『核』ではあるが)ドラマーが死んでしまったが故に解散せざるをえなかったのだが。

今回、その親父の代役として、息子ジェイソンはよくやった。「よくやった」というのもツェッペリンファンの不遜さだな、ロバートが「親父を超えた」と称えていたが、演奏テクニックの面ではジェイソンを始め今のミュージシャンにはとても敵わない。ツェッペリンは、そういった小手先のテクニックの「向こう側」で演奏していた訳で、そういう意味では今回「いまできる最上の演奏」をこのメンバーで披露できたというだけでも奇跡なのかもしれない。だからといって「このままツアーを!」とか欲かかないでねジミー爺さん。

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血税

なんにでも税金投入。増税しても足りなけりゃ売血でもするかい(笑)!?

     つぎ込めば
     なんでも再生すると
     信じられている
     税金という
     処女の生き血

いつまでも盗られるだけってのも芸がないよな、なあ庶民の皆さん。いつか○○の毛までむしられちゃうぜ、あはは。
     

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しりあがり寿さん

『ジャカランダ』、5分未満で読了。この人には『方舟』という作品もある。どちらもすばらしい。

     なんでも手に入る
     はずなのに
     いつまで経っても
     なにも残らない
     この世界

古くは永井豪『デビルマン』『バイオレンス・ジャック』から、90年代の望月峯太郎『ドラゴンヘッド』と、終末を描いた作品数あれど、こんなあっけらかんとした残虐性(の雄弁さ)に接した事はない、すばらしい。

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運命

隣のお嬢さんが、また御両親とケンカしてる(ようだ)。声が聴こえる。さっきからクルマのリアウインドウが開けっ放しなんだけど、声かけてあげることもできない。雨が降り出してきた。 

     こうありたいと
     望んで生まれた訳ではない
     だからこそ
     受け入れなければならない
     運命もある

ああ~また「運命」なんてことば使ってるよ。誤解の元だなあー。
逆説的ではあるが、いずれにしろそれこそが運命だよ、お嬢さん。

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年末

なんのかんの云ってもう年の瀬。年末の買い出しだ大掃除だ年賀状だと三連休の初日から。

     今年も
     押し詰まってまいりました
     毎年おなじように
     唯々慌しい
     年の暮れ     

「金がないのは首がないのと同じ」とは西原理恵子女史だったか、蓋し名言とすべし。

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冬の夜道

これでもまだ平年より平均気温としては高いほうだという。わたしの体感気温としては、平年も何も「冬は冬」!寒いときはさっさと仕事してさっさと帰って、猫と眠る、これに尽きる。

     昨夜
     食べたけど
     いつでも懐かしい
     カレーの匂い
     どこからか

たくさん食べて、おなかからあっためるという手もあるが、こちとら元来小食で、無理して食べると一気に流れるか詰まるかどちらか。とにかく冬は厳しい。

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痛ましい事件の後で

銃を使用した痛ましい事件が続く。

     銃を
     規制することが
     正常なのか
     銃を必要とする
     社会が問題なのか

わたしにはよくわからない。わからないがひとつだけ。

     人を殺すこと
     人を傷つけること
     人を騙すこと
     とてつもなく
     とてつもなく易しい罪

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いちょうの樹

いちょうの樹、小学校の校庭に立っている。

     一本の
     いちょうの樹
     黄色い敷物の上
     校庭の端っこに
     聳えている

こどもの頃、銀杏が臭くってさ、傍を通る時、息停めて走り抜けてた。辟易してた。

いまは通勤の通りがけに目にするだけ。昨日は黄色い葉っぱが一面に敷き詰められて、おお綺麗なこととか思ったりして、今は昔。 

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開放感

     山道で
     辛抱堪らず
     立ち小便
     カラスに
     嘲笑われる

山道の坂の途中にクルマを停めて、ふもとを見下ろしている。日頃のストレスを追い払おうと、ちょっとしたドライブへ。あいかわらずガソリン代は高いまま、ちょっとでも元を取り戻そうと、もっと景色のよいところへと、ついつい遠出に。そうこうするうちに短い冬の日は暮れかかっている。

ストレス社会がそうさせるのか、ストレス耐性のない自分が悪いのか、いずれにしてもエネルギーの無駄遣いを、この期に及んでも尚、性懲りもなく続けている。ドライブと洒落込んではみたものの、いまほどの開放感を今日は味わえたのだろうか、消費したエネルギーと排出したCO2に見合うだけの。

身震いして、坂の上を振り返れば、夜の帳がそこまで降りてきていた。

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ボス

ブルース・スプリングスティーン。

     ボスが帰ってきた
     右の拳を振り上げて
     必殺のキラーチューン
     引っさげて
     ボスが帰ってきた

ここ数作、あまりに誠実すぎた為かセールスがまったく追いつかず、だがそれよりも、伝えようとしたシリアスなメッセージにマーケットの大半が背を向けたこと、そのことが今作に繋がったのだと思う。これはボスの復讐だ。あまりに巨大な自分のイメージと、どんなにシリアスな歌をも聴き流してしまうマーケットへの、ボスからの果たし状だ。「この歌を無視できるか? 俺のメッセージが聴こえるか?」と。若かりし日のエネルギーは最早望めないが、じわじわと腹に来る確信犯的な音づくりは往時を凌ぐ。傑作だ。

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明け方、あまりの寒さに、猫が寄り添ってきた。少しの間、ふたりして微睡んだ。

     寒くって
     冷たくって
     今日はどこにも
     行きたくないって
     一日がはじまる

     どんなに寒くても
     どんなに辛くても
     これが一日の
     はじまり
     未来のはじまり

前の晩、「明日こそはっ!」って思いながら、翌朝になるともう萎えてる…そんなのはもうお終い!!! 起きるぜ!

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ムンク展

ムンク展に行ってきた。『叫び』は盗難事件の余波だろうか、来日(笑)はなし。今回は『マドンナ』『不安』『吸血鬼』…と有名な作品は比較的最初のほうに並んでいて、ちょっと疑問。今回は、ムンクの芸術の「装飾性」にスポットを当てていると知り、まあ納得。主として建物の装飾として描いた作品、装飾を目的としたレイアウトなどのムンクの構想(下絵や実際の作品の配置まで)展示されていた。

     作者の意図とは
     かけ離れて
     それでも人々に
     受け入れられる
     ポピュラリティ

その「装飾性」だが、現代に生きるわたしの目には、なんだか食い足りなく見えてしまう。「ああこれいいなあ」と思った『歴史』のリトグラフも「なんかジブリ作品のようだったなあ(むしろジブリのほうがもっと上手なんじゃないか?)」と後から味気なく思ってしまった。絵というよりも飾りでありデザインであるのがまずつまらないし、なによりも現代にあっては「古さ(古臭さ)」を感じてしまうのだ(当り前か)。

結局、ムンクといえば思い出される(展示されていないにも拘らず)『叫び』とか『不安』とか『マドンナ』だとかのほうが遥かに印象は強く、惹き寄せられてしまう。というのも、そのテーマがより人間的で、建物の装飾などよりも、いまの時代に生きる不安であるとか孤独であるとか、そういった精神性のほうが、より身近で切実に感じられるからだろう。それらの作品の放つ、根源的な、生を抉り出すような迫力に、人は反応してしまうんだ、きっと。そういう意味で『不安』『マドンナ』等は、この時代に充分に通ずる普遍性を勝ち得ているのだと思う。

それに引き換え「装飾性」といった抽象的な意味でのムンクの到達点は、今という時代から観れば「歴史」的な価値・意味しかないように思える(のはわたしだけか)。おばさんたちが「『叫び』ってどこに飾って(笑)あるの?」って訊きたがる気持ちはよくわかる。ムンクにおける日本でのポピュラリティは、ある意味ムンクの芸術性の本質を突いているのではないかと。ムンク本人の意思には反するかもしれないけど。

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幸福

この子はほんとうに幸福だろうか? 添い寝しながら考えている。もしあのまま、野良猫のままだったら今頃どうしていただろう。飢えて死んでいたろうか、あるいはもっと裕福で優しい人が拾ってくれただろうか。この子はいま、どう感じているだろう? 今こうして、わたしの右の手のひらを枕に、静かな寝息をたてて眠っている子猫。

西日のあたるリビングで、ひとりと一匹、お昼寝のできる冬の午後。このなんでもないひととき、わたしにとっては、かけがえのない時間。

この子と偶然めぐり合い、すこしずつお互いを知り、互いを受け入れ、やっとここまで辿り着いた数ヶ月という時間。いっしょにお昼寝する、たったこれだけのことができるようになるまでに費やした日々。

考えてみれば、すべては偶然。なにひとつ確かなものはなかった。わたしが引っ越してきて、この家に住み、この子が捨てられたか迷ったかして、ある日偶然巡り会えて、女房がたまたま辛抱強い女性で、毎朝毎晩この子だけに餌をあげ、すこしずつ慣れさせてくれ…すべては偶然にすぎない。にもかかわらず、わたしはそれを奇跡のように感じている、それを心からよろこんでいる。

いまここにわたしがここにいるということ。凡人がひとり、ここにこうして生きていられること。そして、たくさんの小さな偶然が、奇跡となって取り巻いていてくれるということ。 

     右手の
     手のひらを枕に
     寝息をたてている
     この子
     この奇跡

いまこの子がほんとうに幸福かどうか、確かなことはわからない。けれども、いまこの時幸福であってほしい、心からそう願う。もしそうであったとしたら、いまこそが永遠であってほしいと、本気で祈っている。

いまこの時、いまこの時こそがすべて。いまここ、この時こそが幸福。ここが出発点であり、ここが到達点。この子に対して、そしてこうさせてくれている周囲のすべてに対して、感謝したい。それを、感謝の対象すべてを、もしかしたら神と呼ぶのかもしれない。だとしたら、やっと神を信じることができるんだと思う。神とは私を含むすべての存在なのかもしれない。

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嫌悪

嫌いということばの対義語は「わからない」ということば。

     あなたは
     わたしを
     わたしは
     あなたを
     たがいに嫌い

     わたしたちに
     許された
     互いに対する
     僅かながらの
     優位性

     神様は
     ぼくがお嫌い
     ぼくは
     神様が嫌い
     お互い様

     

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漂流物

広い海を、長い間漂っている。

     オレは
     いつの間に
     どうして
     ここに
     いるんだろう

     人生の
     すべてを
     覚えている
     たいしたことは
     起こらなかった

     答えを出そうと
     焦っているのかな
     繰り返し
     問い続けるのに
     疲れたのかな

     もう
     なにも起こらないなら
     放っておいて
     なにも変わらないなら
     眠らせて

いつかどこかに辿り着く。
     
 

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建築物

映画や小説で東京タワーが取り上げられている。建設途中の、まだ半分までしか完成していない映像を観ても、なんだかドミノ倒しの駒を並べているような、心もとない、ハラハラする緊張感があって、いいなあと思う。その安定感と裏腹の頼りなさがいいんだよ。

     天に向かい
     鉄と
     石でできた
     箱を
     積み上げる

     大観覧車から
     見おろす
     マクロミクロ
     四角三角の
     立方体

今の建造物って「絶対に壊れません」「倒れません」って威張ってるようで、その割りに建築基準違反してたりで、見た目も中身も信用できない。

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ケータイ

20世紀最悪の発明(?)品だった訳。

     電車の中で
     電話できる
     これが
     便利か
     進歩か

     なぜ
     誰でも
     どこででも
     電話できなければ
     ならないのか

     電車の中で
     精巧な機械を手にし
     微笑みかける
     これって
     一昔前のオタクじゃないの?

人間は、自分で自分の首を絞める動物だ。

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本音

おいちゃん、それを云っちゃあ、お終めえだよ。

     仕事なんか
     したくない
     会社なんか
     行きたくない
     本音

     帰りたい
     不便で
     心寂しい
     田舎暮らしに
     戻りたい

まったく身も蓋もない。
  

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おにぎり

コンビニのパリパリ海苔のおにぎり。ありゃあチンしちゃダメなんだね。海苔が水分吸って、喰いちぎれなくなっちまう。

     くたびれ果てて
     銭湯にも間に合わず
     それでもコンビニの
     おにぎりがご馳走だった
     バンドマンだった昔

だいたい電子レンジなんて、わたしの部屋にはなかったよ。
     

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年賀状

そろそろ書かなくちゃなーと、思う頃じゃ遅いんだよね毎年。

     新しい年が
     明けましての意味なので
     新年明けましてじゃ
     同義反復
     正月から恥かきっこ

てやんでぃ、日本語ってやつぁ、むつかしいんでえぃ。

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社会貢献

会社で総務部なんてところにいると、こういうことも仕事のひとつになってくる。

     カネをかけないで
     善意で賄おうとする
     倒錯した
     卑しい根性
     社会貢献という概念

いいことなんだから、それこそカネかけてやればいいじゃんって、自分の会社は棚に上げて悪口云ってんのはわたし。絶対なんかおかしいよ。

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ヴィーナス

ミューズに続いては、なんといってもヴィーナス。ほんとはアフロディーテなんだろうけど。

昔作った歌。わたしの歌のなかで、もっとも有名か?!

     美しい
     あなたは
     まっすぐ
     わたしを
     みつめる

わたしの中のヴィーナスは、二コール・キッドマンに似てる(笑)。いやほんとにそうだったら、みつめられただけで死ぬな、んなこたないか。アンジェリーナ・ジョリーでないことは確か(ごめんB・ピット)。

     

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ミューズ

わたしが「書いた」とする一連の歌のなかに、どう考えてもわたしの(普段の/日常の)思考から生み出されたものではなさそうな歌、というか書けそうもない歌が存在する。

もちろん潜在意識とか第六感とか説明はつくだろう。ただ、本人含め、そういういわゆる「(人文)科学」的な解説で納得したくはない。もっと、こう、感覚的なものなんだ。たとえば…

わたしのこころの中にはミューズが住んでいる。女神は湖のほとりに住み、歌を紡ぐ。女神は歌い、湖はその調べを浮かべる。湖からはじまる細い流れは、途切れることなく、だれかの心の岸辺へ流れ着く。

わたしはきっと、それをいつも待ってるんだ。ビンの中のメッセージのように。遠く南の国から流れ着いた椰子の実のように。女神からの啓示。

彼女を思い浮かべようとしてみる。その姿、その声、その瞳。うまくいかない。いく訳がない。それほど大した想像力を、わたしは持ち合わせていないんだ。

せいぜい、グゥイネス・パルトロウかケイト・ブランジェットに似た細身の美女だろうくらいにしか。いやユマ・サーマンじゃないだろう(IQ160?!)とか、そんな程度の、貧しい想像力。いやほんと、笑い事でなく。

女神はわたしのなかにいる。ミューズはわたしとともにいる。かなしいのは、彼女はわたしを知っているが、わたしが彼女を知らないこと。

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民主主義なんて!

民主主義だって!

     人権とか
     平等とかに
     無理やり翻訳したがる
     民主主義の
     不自由さ

そう信じたいなら信じればいい。でも「信念」であるかぎり、それはイデオロギーに過ぎない。人類が辿り着ける最後の大正解ではないよ!!

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戦争反対!!

現実は、賛成も反対もないんだけどね。

     平和は
     かっこ悪いと
     認めた上で
     かっこよい
     戦争を否定せよ

     殺戮あり
     破壊あり
     背信あり
     戦争は
     話題に事欠かない

     人は
     その気なれば
     戦争からすら
     たくさん
     学べるのに

「その気になれば」…重いことばだ。

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いつかのふたり

とても思い出になんか浸れない、いつかのふたり。

     何年も前
     わたしたちが
     歩いた道を
     電車から
     見おろした

     あなたと
     いっしょにいると
     いつもなにか
     甘いもの
     食べたい気分

     映画観て
     お茶飲んで
     おしゃべりして
     散歩して
     帰った

     あなたは
     たったいま
     死んだように
     安らかに
     眠る

     今夜
     あの夜道を
     精霊となって
     ふたり
     漂うだろう

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小鳥

ベランダに降りてきた雀の子に、おせんべのかけらをあげたと女房。

     砂利道を
     とっとこ歩く
     小鳥
     幼子のよう
     故なく急ぐ

     名前を知らない
     小鳥と
     遠くで
     すれ違う
     田舎の小道

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怠惰な日々

かつて団地に住んでいた頃。

     洗濯物を
     干して
     風呂桶を
     洗う
     半日

     休日の
     昼間から
     バスタブに
     浸している
     行き場のない肢体

     希望や
     祈りは
     せいぜい
     今夜叶う程度の
     願い

そんな日々が、それでも6000の歌のほとんどを生んだ。

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戦争v.s.退屈

対義語として「平和」ではなく、あえて「退屈」とする(これだけで腹の立つ人はこれ以上読まないでください)。

     なぜ
     ぼくたちに
     戦争を
     殺し合いを
     させてくれない

     ピンポイントで
     攻撃される
     破壊してよい
     殺してもよい
     格好の標的

     構え
     狙い
     相手に
     知られずに
     撃つ

  

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BLINDED BY THE LIGHT

みんなが望んでいるという。でも「過ぎたるは及ばざるが如し」。

     光が
     強すぎる
     健全さは
     創造力を
     萎えさせる

     闇を
     怖れるあまり
     光に
     目が眩む
     アンバランス

     雲が
     ひび割れ
     日差しが
     刃物のように
     地上に突き刺さる

     日差しよ
     照らせ
     わたしの骸を
     指し示せ
     この大路に

     真っ白い
     空は
     薄ら寒い
     淡い光に
     満ちている

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コンビニ

ギッパくん曰く「コンビ二ってやっぱり、なんか変だと思いませんか?」。ほんとに。

     いまに
     日本は
     コンビニだらけの
     明るく便利な
     国になる

     カラスまでもが
     コンビニの
     ビニール袋抱えてる
     豊かで
     どうしようもないこの国

「なんで?! 便利でいいじゃない!」って反発の声ばっかりだったりして(笑)。   
  

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夏は去り行く

この歳になるとね、あまり嬉しい季節ではないな。

     長く伸びた枝を
     植木バサミで
     捻り切る
     蝉の抜け殻が
     しがみついている

     8月も
     終わってしまう
     そう思って
     ため息をつく
     もう若くないんだ

とはいうものの秋から冬にかけてが、これがまた長いんだ、途方もなく。 

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脱出

オ○ム真△教の某容疑者が学生時代に書いたような歌(苦笑)。

     ここから
     抜け出したい
     迷路なら諦めもつくが
     ただの細長い
     長すぎる一本道

     なるほど
     かつては
     自分も
     そんな望みを
     抱いていた

     学び取った
     ことといえば
     他人を押し退け
     傷つける
     業ばかり

     疲れ果て
     くたびれ果てた末
     死ぬならば
     とっくの昔に
     死んでいることだろう

     こんな夜に
     生きてなど
     いたくないと
     わがままにも
     そう思う

     束の間
     通り過ぎる
     この世に
     なにひとつ
     遺すものはない

 
     
     

     

      

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エロスⅡ

際どいことばを羅列してもエロスとはいえない。

     あなたの
     素足
     わたしの
     下腹の
     昂ぶり

     あなたは
     頬に
     花粉を塗し
     くちびるに
     毒を塗る

     欲しいだけ
     傷つけてやる
     見返りに
     俺を癒せ
     しゃぶれ

     とろとろと
     煮込んで
     そのうえ
     噛み砕いて
     口移し

セックスとかお○んことか叫んでもポルノにすらならない。

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月光

月が昇る頃に帰り、月が沈む頃に出かける毎日。 

   太陽は
    残酷に照らす
    月光は
    静かに
    包み込む

    おひさまは
    まぶしいけど
    おつきさまは
    すこしだけ
    やさしい

    空に
    描き損ねたかの
    月
    雲とおなじ
    白色

    月は
    半分
    薄い
    夕暮れに
    溶けて

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果てしない…

     充分に
     語り尽くせる
     はずもないのに
     ついつい
     喋りすぎてしまう

     何度
     繰り返し
     喋っても
     ほんとうのところは
     言い尽くせない

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犠牲者

殺されたものたちを犠牲者と呼ぶ偽善。いったい何の犠牲になったのか。

     戦死者は
     死者ではない
     みんな
     誰かに
     殺されたんだ

     命乞いさえ
     できず
     そのしかたさえ
     知らず
     殺されていった子ら

     人が
     殺される
     理不尽でない
     理由とは
     手段とは

     憎しみあって
     殺しあって
     そんなにまでして
     実現したい
     平和とは 

平和を実現する為の神への供犠か、為政者の欲望を満たす為だけの単なる踏み台か。

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不信

信じないんじゃない、信じられないんだ。

     幸福は
     金で
     買えるか
     他人から
     奪えるか

     わたしは
     世界にも
     あなたにも
     責任を負えない
     無産階級

     確かな
     強固な
     信念は
     どこに
     書いてあるのだろ

 

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自分の頭に、胸に、心に、ぽっかり開いた穴。

     わたしの
     真っ芯に
     穿たれた
     底なしの
     闇の穴

     絶望の
     深淵を
     掘り下げる
     その底に
     何があるかを

     青に
     青を
     塗り重ね
     闇に
     近づける

あっ最後のは「穴」じゃなかった(笑)。
   
 

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