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2008年2月

生きる糧

なんでこんなこと、せなあかんねん…と大阪弁でぼやきたくもなる退屈な仕事。

     生きるため
     なんでもやります
     死なないで
     生きるため
     死ぬ気でやります

この矛盾、あほちゃうか。

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事故

事故が起こるたび、いつも思う。

事故を起こす/事故に巻き込まれた人間の心理や背景よりも、引き起こされた物理的な現象のほうがより重大だと。現代に起こりうる事故って、それが巻き起こす物理的な破壊力というか事象・結果があまりにも大きすぎる。人間なんてひとたまりもない。「なぜこんなことが起きたのか」よりも、起きた結果の大きさ(悲惨さ)で、注目度が決まる。

     倒れ
     轢かれ
     潰れ
     押され
     流されて

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記憶

むかしむかし。

     堆積した
     記憶の地層
     自分の
     化石を
     掘り返す

     夕焼けの街
     いつまで待っても
     誰ひとり迎えにこない
     途方に暮れる
     ひとりの少年

     目を閉じて
     訪れる
     遥か遠く
     すこし哀しい
     ちいさな昔

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ちっぽけな存在

ちっぽけな存在は、それを忘れ、些細なことに思い悩む。

     心の中の
     石ころを
     思い切り
     遠くへ
     蹴っ飛ばす

     怒りと
     憤りと
     痛みとを
     奥歯で
     噛み締める

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かけがえのない星

今更ながらエコロジーだとか、遅すぎるね。

     地球は
     もう元には
     戻らない
     腐りはじめた
     果実

     何秒後か
     はたまた
     何千万年後にか
     地球は
     滅び去る

     地球も
     人類も
     いずれ滅びるが
     わたしには
     関係ない

人間なんてちっぽけだね。

  

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厳冬

いつまでも寒い冬。

     わたしの
     心臓に
     氷点下の
     冬が
     居座る

     とても
     寒くて
     寂しい
     けれど
     どうしようもない

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知識

重要なのは、知っていることの過多ではない。

     知識って
     それだけで
     脂肪と
     重みに
     変わり得る

     混乱している
     その自覚を
     いつでも
     意識して
     いられるか

     この世の秘密を
     握っていると
     嘯くわたしを
     世間は
     せせら笑っている

  

   

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妬み

わたしの怒りの根源なんて、単に「妬み」だけなのかもしれない。

     妬んでもいない
     望んでもいないが
     他人の不幸ほど
     わたしを
     満足させるものはない

     世の中の
     すべての
     幸福を
     わたしは妬む
     妬んでいる

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テロリストに告ぐ

アンチ・テロリスト側への批判ばかりじゃ片手落ちなので、テロリスト側へ訊く。

     肉欲を
     物欲を
     抑制し
     あの世で
     すべて取り返す

これって「解消すべき現世での欲望」があの世で裏返っただけのことじゃないの!あんたらバカ?!

     これから先
     何歩昇って
     何歩下って
     天国の入り口
     地獄の門の前

だいたい死後の世界なんて、ほんとにあると思ってんの?!

     天国には
     すべて
     在る
     暗黒も
     悪徳も

死に対する厳粛さが足りなさ過ぎるんだよ。

     天国に昇るでも
     地獄に
     堕ちるでもなく
     唯々
     死に向かう

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日々の引っかかり

なんということもなく、なんの気なしに、なにがどうということでもなく。

     辛いことも
     哀しいことも
     覚えのないのに
     どうしてか
     電車の中で泣く

     スーパーのレジの
     長い行列に
     並んでいて
     なぜだか無性に
     泣きたくなってくる

なぜだろう?

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写景

見えるものをそのまま詠う。

     鉄塔が
     もはや
     鉛筆デッサン
     でしかない
     夜

     ふと
     小学校の
     プールを
     思い出す
     日暮れ

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両刃の剣

敢えて対に置いてみます。

     なぜ
     そんなに簡単に
     他人を愛し
     許しあえると
     信じられるのか

     なぜ
     そんなに頑なに
     憎みあい
     いがみあい
     信じあえないのか

  

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またまた戦争について

いい加減、言及するのにも飽きてきたんだけど、そういう気まぐれに左右されるほど、この問題は「軽く」ないんだってさ。

     闘い
     奪い取るだけが
     正しさを
     勝ち取るための
     唯一の手段か

     死んだ後に
     称えられる
     勇敢な兵士を
     志願した
     若者達

 

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覚悟と云わずば決意と云おうか

できることが限られているという現実を生きる。生きる覚悟/決意をすること。

     魂の
     両端を握り
     なけなしの
     意気地を
     絞り尽くそう

     そのために
     なにを
     捨てられるか
     なにを
     失えるか

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エコロジー

所詮、人間が人間の都合で考えたことであるから。

     ドブ川に
     コンクリートで
     蓋をした
     何を流しても
     気にしなくなった

     水にも
     酸素にも
     命にすら
     価格に差のつく
     社会の有様

まあ、いずれバチ当たるんだろうな。

     時間切れ
     失格となるまで
     この星に
     あとどれくらい
     残されているのだろう

     

    

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安息

今日ばかりは疲れて働けません。お休みします。

     お休みしよう
     灯りを
     消そう
     電池を
     抜こう

     ゆっくり
     昼寝だけ
     できる
     贅沢な
     午後

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強肉弱食

早いとこ「弱者に成り下がったほうが、却って得」という、魅惑的な発想。

     傷ついたもの同士
     独特の嗅覚で
     嗅ぎ分け
     忽ち打ち解け
     慰めあう

     ほんとうの意味で
     弱い人は
     傷ついた後
     むしろ鈍感に
     成り下がる

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遵法精神

だからぁ、法律ってのは約束事なんだって! 唯一の真実でも万能の法則でもないんだって!!

     法律や
     ルールは
     守っても
     破っても
     損をする

だからって「何をしてもよい」ことにはならないんだって!

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巧妙なしかけ

「人を殺す」という行為を、当事者になんとかして感じとらせない/認識させない、あまりにも非道な計算。

     機械を
     通して
     狙った
     相手を
     撃ち殺す

     なるべく
     多くの経路を
     通過して
     現実を
     認識させない

     軍服の
     報道官は
     胸を張って
     殺傷能力を
     性能と言い換える

 

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近親憎悪

似ているからこそ嫌なのだ。

     互いに
     似通っているが為
     余計に
     相手を
     許せない

     あなたと
     わたしを
     遠くから眺めれば
     たいして
     違わない

  

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前傾姿勢

背骨が曲がっている、猫背である、ということは、必ずしも悪いことではない。

     朝も
     夕も
     明日も
     明後日も
     生きてゆけ

     それ以上
     賢くなって
     神様も
     宇宙も
     超えてゆけ   

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選択

賢い選択といえるか、否応なく迫られる。

     肉親だけは
     命懸けで
     守ろうとする
     突きつめた末の
     ぎりぎりの差別

     他人は
     殺しても
     自分だけは
     助かりたい
     わたし

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怒りの滓

こころの底に常に怒りが潜んでいる。なにかの拍子に(とりわけ他愛もない会話に)刺激され、頭を擡げる。

     帰り道
     急ぎ足
     早口で
     不機嫌なことばを
     ひとりごちている

     そのことばを
     他人が
     口にすると
     ものすごく
     いらいらする

     俺は
     そんなこと
     あんなこと
     聞きたくも
     知りたくもない

早く世界が終わらないかな。

     ときどき
     ぼくはもう既に
     死んでしまった
     終わってしまったと
     諦めちゃうんだ

     

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戦死者

非難するのも、賛美するのとおなじくらい馬鹿げてる。

     戦死者の
     養分を
     たらふく吸って
     まるまる太った
     わたしたち

     死んでいった
     兵隊さんを
     賛美する
     醜い
     わたしたち

わたしたちに「なにができるのか」よく考える、いや「なにができないのか」を。

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錯覚

ほんとに、ごく微量の、あるかないかわからないくらいの、ささやかな幸福。

     完璧で
     隙のない
     幸福なんて
     だれも
     望んでない

     ほんとうは
     錆びついて
     綻びのある
     些細な幸福を
     望んでいる

   

    

    

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感謝

こうも寒い日が続くと、おひさまが恋しくなる。

     日が翳ると
     途端に
     寒くなる
     おひさまの
     ありがたさ

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不可知論

昔からの、ありふれたペテン、もっともらしい物謂いには気をつけましょう。

     完全とか
     絶対とか
     その意味を
     深く考えない人が
     よく使うことば

「科学的」なんてことばも危ねーな。

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満員御礼

一週間平均して一時間、わたしの乗る電車の遅延時間の合計。

     向かい合った
     座席に座った
     乗客の
     足元ばかり
     みつめている

     電車に乗り合わせた
     隣の人の読む
     難しそうな
     解説書の
     読みにくさ

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亜米○加

自由がありすぎて、何をしてよいのか/すべきか、誰一人判断のつかなくなってしまった悪例。

     勝者の
     実現できる
     一握りの
     暫定的な
     平和と自由

     マスメディアという
     フィルターで濾過した
     わかりやすい
     通じやすい
     正義と平和の訴え

     正義を
     振りかざした者は
     絶対
     負けを
     認めない

     いっそのこと
     平和など
     無効にしてしまえば
     誰も期待を
     抱かずに済む

     テロリズムを
     否定し去るほど
     我々の
     正義は
     正しくあるか   

 

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黎明期

地球という、人間のテリトリー。

     地球は
     安らかに
     眠っている
     力尽くで
     揺り起こすな

     笑顔ではなく
     嘆きと
     哀しみこそを
     わたしたちすべては
     共有できる

     あなたが
     ここにいてほしい
     けれども
     わたしは
     ここにいられない

     どうか
     世界よ
     安らかに
     眠りに
     ついておくれ

     

 
     

   

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オス

セックスだけは「語り得る」対象となるはずなんだけど…

     美しい
     あなたに出会うまで
     わたしは
     わたしがオスだと
     忘れていた

     ぼくの
     ティースプーンで
     きみのカップを
     かき混ぜる
     無作法ではあるけれど

     きみを今
     連れ去れたら
     ふたりとも二度と
     泣くことはないだろ
     他の人はともかく

 

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不明

「わかる」という事の途方もなさ。

     行き先を
     訊ねられて
     どこへ行きたいのか
     自分でも
     わかっていない

     不可能なことって
     悪いことなの
     なんでもできることが
     唯一の
     正しい答えなの

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しょーもない仕事

あんなことも、こんなことも仕事のうち。

     事務所の床に
     横たわる
     自分の
     不甲斐ない
     死体

     もっともっと
     ひどい事もあった
     疲れた脚を
     引きずって
     長い夜

     マネジメントの
     一環として
     褒められ
     叱られる
     部下も大変だ

 

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厳罰化の行方

犯人をみつける手段を整備することが最優先されるべきなのか。

     共によりよく
     生きるための約束が
     法律
     それを守るために
     生きてるんじゃない

「法律に従う/従わない」だけの問題ならば、むしろ話は簡単だ。

     夜中に
     きちんと
     信号守って
     優良市民の
     振りをする

犯罪を発見し罰を下す為にコストを割くのか、互いに信じあえる社会を築く為に活かすのか。今となっては「ニワトリとたまご」なのか。
     

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誠実さ正直さ

なにをどう云い繕おうと、

     殺さない
     傷つけない
     壊さない
     そして
     愛さない

そんな生き方など人間にはできないはず。しかしは国やイデオロギーが戦争の大義名分足りえた時代もあった。

     殺すため
     盗むため
     犯すため
     神を
     必要とした

そして、いずれはそれは「昔の戦争」として語られる。

     名前も
     その素性も
     知りもしない
     犠牲者へ捧ぐ
     一分間の黙祷

これまでの戦争ならばいざ知らず、正直なところ

     この人を
     この子を
     まもりたい
     この国など
     どうでもいい     

というのが現代のリアルな考え方ではないのか。  

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食べるということ

なにを食べるにしても、なにかを犠牲にせざるを得ないということ。

     いのちを
     貰って
     生き永らえる
     そのことの
     奥の深さ

     食べる
     飲む
     息をする
     いのちを
     いただいている

     いのちを
     思うとき
     軽々しく
     感謝
     できない

否定的に考えれば

     わたしたちは
     生きるため
     たくさんの
     いのちを
     殺している

     たくさんの
     いのちは
     わたしたちが
     生きるため
     生まれ死ぬ

原罪という概念の根本は、ここにあるべき。

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人間

こうもいえる。

     光を
     灯すことは
     できても
     暗闇を創り出せる
     人はいない

あるいはこうとも。

     光は
     灯せるが
     闇は
     創り出せない
     人間

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理由

理由なんてあるのか?

      自分の
      家族を守るため
      だれかの家族を
      殺す
      この矛盾

理由になるのか?!

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水面

アスファルトに覆われてしまって、水溜りのできる砂利道には滅多に出くわさない。

     澱んでいて
     小さすぎて
     あまりに高く遠い月を
     映し出せない
     水溜り

     弱々しく
     月を照り返す
     水面の
     不規則な
     模様と澱み

水面を「みなも」って読めるかね?!

     
     
   

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お月見

空気が澄んでいて、星がきらきら瞬いていて、お月見には冬の今頃がいちばん(2月初め)。

     月は
     光ではなく
     闇を
     影を
     投げかける

風邪ひいた。もういくつ寝ると春が来る?

     托鉢の僧の
     捧げ持つ
     椀の如く
     傾き揺らぐ
     春霞む月

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反省(というか再開宣言)

ここのところ忙しく、それをいいことに怠けまくっていたが、そろそろ原点に戻って、過去の作品の掲載を再開しようと思う。もともと「行き場のない歌の拠り所」だったはずだからね、このブログは。

とはいっても肯定的な内容が少ないので公表したくても憚られるモノが多くてね…いっそ『怪獣墓場』とでもタイトル変えるかシーボーズ。

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