五行歌

2021年2月21日 (日)

未来に残したいことば

 できる限り正直に、いま書き残せる精一杯を。

   地震は必ず起きます
   過去に何度も
   繰り返し起きました
   そのたびに人々は泣きました
   そしていつか忘れました

   災害は
   忘れた頃にやってくる
   戦争は
   忘れなくても
   始まります

起きたことを「なかったこと」にしようと、いろいろと画策する人たちがいます。

   きみの外野は
   きみの記憶を
   上書きしようと試みる
   色とりどりのイメージや
     耳障りのよいメッセージで

それが100年前だろうと、10年前だろうと、たかだか先週のことでさえ。

   何度も
   過ちを犯し
   それを悔いる
   その繰り返し
   人間であること

        何度も
   おなじ過ちに気づき
   何度も悔いる
   何度も繰り返す
   それがわたしだ 

   

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2020年6月14日 (日)

問いかけと答え

訊きたいことは聞きたい答え。

     あなたに
     訊きたいことがあるけれど
     どうせそれは
     あたしが聴きたい
     答えだから

     あなたへの
     質問は
     あたしが
     聴きたい
     答え

どっちにしろ。

     わたしが
     納得するまで
     あなたに
     問いかけ
     繰り返す

  
      

 

 

   

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2014年4月20日 (日)

いっぺんに描く!

一度に言えることはひとつだけ。

     ぼくにできることは
     美しいあなたを
     モデルに
     ぼくにしか描けない
     歌というスケッチ

     あなたのことも
     そのほかのことも
     すべてが大切で
     そのすべてをいっぺんに
     描くのが歌

     たった五行と
     いうけれど
     なにもない
     ここからは
     遠い道のり

     たったの五行
     というけれど
     なにもない
     ここからは
     遠い道のり

     特別な
     日でもなく
     特別な
     事もなく
     書ける歌

     とくべつな
     日ではないけど
     とくべつな
     ことがなくても
     書ける歌

     広い空も
     深い海も
     いっぺんに描く
     この世界いちばんの
     てっぺんから描く歌 

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2014年2月 2日 (日)

そんなに多くない

いやあ、久し振りなもんで、ブログの更新方法忘れてしまった。

     あなたの文章は短すぎる
     すべてを伝えきれない
     そうだろうか
     伝えたいことだけ書く
     そんなに多くない

     
     あなたにだけ
     伝えたいことだけ
     書き記そう
     そんなに多くない
     そんなに悪くない
     

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2013年9月 7日 (土)

他人の歌

他人の歌を読んで「下手だなあ(笑)」とか「これはないだろ!」とか、ひとり突っ込みして笑ってるだけじゃありません。ときには考えさせられたりもします。

     ひとを好きになって
     なにか得したいとか
     見返りがほしいとか
     好きな人がいるだけじゃ
     充分じゃなかった

われながら浅ましいというか、お恥ずかしい。

     好きになることは
     欲望の現れ
     好きは
     欲望なんだって
     改めて気づいた

まあ、それがエネルギーの源泉になり得るわけで「そりゃ得したな」とも云えるんよ。でもね、そういう「自意識」って、考えてみるとちょっと不純かな、とか。

     わたしには好きな人がいます
     会ったことも
     ことばを交わしたこともありません
     でも美しい歌を歌います
     わたしの好きな人

 

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2013年8月 4日 (日)

That is It! 

「くだらねー歌なんか書いてんじゃねーよ!」「おまえに云われたかねーや!」「おまえよりマシじゃいっ!」、わたしのなかの内なる会話。

     自分の歌が
     いちばんだ
     自分のむすめが
     いちばん
     かわいいように

アスリートのように鍛え上げることのできる、目標を定めることのできる、達人の伝記のように努力次第で向上させることのできる、コントロールできる才能ってやつを、持っていたらなあ。

     次に書く歌が
     いちばんいい歌
     いつまでたっても
     傑作は
     次回作

努力を怠ってるとか、努力が嫌いとか、それだったらまだ納得できる。努力とか意志の力でどーにもできない才能ってのがあるんだよって話。

人間は平等ではないし、人生は公平ではない。誰にでも可能性はあるというのは、「誰にでも」それぞれに固有の、ある意味偏ったポテンシャリティはあるよ、けどそれがすべて、必ずしも役に立つとは限らない。人間にはいろんな奴らがいて、そりゃしょうがねえんだよ、というあたりまえの認識。

 

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2013年7月27日 (土)

Is This It ?

どれだけ書いても辿り着かない、辿り着けないところ。

     ひとつのうたで
     多くは伝えきれない
     ひとつのことを
     より深く
     掘り下げればいい

ことばを尽くせば伝わるという迷信。思い上がりに近いイデオロギー。

     ダメな歌なんかない
     悪い歌なんかない
     読み誤っただけのこと
     聴き誤っただけのこと
     受け取りそびれただけのこと

「努力を要する」人もいる。そのために「眠れないほど」の人もいる。

     いろんな才能がある
     努力にもいろいろある
     その意味では
     まちがった
     やり方などない

わたしの場合、書く努力はしない、というか努力自体が「ない」。なぜならば、努力しても書けないから。書けないことを知っているから。簡単に言うと、わたしは自分で歌は「書かない」。わたしのなかの誰かが書いていて、それをこの世界に「書き写す」だけ。

     わたしは
     歌を書かない
     わたしのなかの
     美しい調べに
     耳を澄ますだけ

なので自分で書いた歌が、実は自分の歌でない(笑)。なので、自分の歌に対しては、相当客観的。つまんない歌は無視できるし、素晴らしい歌は絶賛できる。「こりゃ俺には書けねえな」という歌が実はけっこうあったりする。

書けないときは、確かに焦る。けど、焦ってもしょうがないのだ。書けないんだから。書けないというよりも、「むこうの歌声が聴こえない」「むこうの歌に焦点が合わない」に近い。

わたしが焦ろうがどうしようが、わたし自身にはどうしようもないのだ。その意味では、書くことに負い目があるし、逆にすごいものを書けるという自負もある。

     努力する人
     すらすら書ける人
     うまくならない人
     自分の内側に
     耳を澄ます人
     

 

 

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2013年7月20日 (土)

問い続ける覚悟

どこかに書いたのだが、何度でもいいましょう。「わたしの歌はすべて問いである」と。

歌がさも「答え」であるかのように、書かれる方・詠まれる方がいらっしゃる。たぶん自信がおありなんでしょう。「答え」を求めて、歌を読まれる・解釈される方々もいる。けれどもし、歌が「答え」だとしたら、それへのリアクションは「正しいか/まちがってるか」しかない。

「正しいか/まちがってるか」は、ふつう人間には答えられない。深く考えれば考えるほど、人間の判断って頼りないもんだってわかってくるし、経験を積めば積むほど、やること為すこと碌なことはない、過ちばかりだと気づかざるを得ない。

人間に「正しい/まちがっている」は決められないとしたら、今度は、それを「信じるか/信じないか」でしょう? 突き詰めればそれは宗教に行き着きます。あなたは神を信じますか?

ブログタイトル「5.5行歌」の「.(コンマ)5」とは、こういうことです。「わたしの五行歌にはすべて、見えない6行目にカッコ書きで「…と思うのですが、みなさんいかがですか?」という一言が隠れているのですよ」と。

正しいか正しくないかではなく、信じるか信じないかでもなく、わたしの歌はすべて「あなたへの問いかけ」なのです。

二者択一やルーチンの答えを想定しない、なんでもありのリアクションを求めて。

誰に対してでも、何に向かってでも、それがいつであっても、どんな形であっても、なんらかのあなたのリアクションのきっかけとなってくれれば、その歌は「大正解の問い」なのです。

     わたしは
     あなたを
     こころから
     愛しています
     さようなら

     きょうは
     いままでで
     いちばん
     楽しかった
     さようなら

むずかしい表現は用いない。いつものことば遣いで、いつもの言い回しで、あなたのこころの奥深くにどれだけ近づけるか、問いかけられるか、それだけ。わたしの歌は「問い」によるコミュニケーションです。

 

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2013年6月22日 (土)

拡大解釈

才能なんて無くていいじゃん。

     自意識過剰な
     「才能」の表出
     どこか似かよった
     不幸自慢
     身の上話

     知ってほしい
     わかってほしい
     認めてほしい
     でもそれは
     表現じゃない

単なる承認欲求で。だったら「上手に料理作る」でも「スポーツうまくなる」でもいいじゃんか。なんで歌なのか?だ。

     思い通りにできる
     コントロールできる
     そんなの才能ではない
     厭わしい忌々しい
     どうにもできない力

才能のある奴は、どうしようもないくらい嫌な奴だもの。
     
    

 

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2013年6月14日 (金)

説明したいのか歌いたいのか

「~は~なので、だから~なのです、わかってください」とは、説明文書だな。

     なにもかも
     ことばで
     言い表せたら
     うれしいだろうか
     満足だろうか

「意味するもの/意味されるもの」の議論を待つまでもなく、「すべてを言い尽くす」なんて無理だって体験的に知っている。だからこそ、伝えたいこと/歌いたいことを極限にまでそぎ落とす、ことばを磨く必要がある。

     こころが
     これだ!と
     定まらないから
     ことばがブレる
     こころに響かない

どのみち、言い尽くせないこころのうちは、だからこそ最低限に極めつくしたことばを選んで発するしかないのだ。矛盾している? だからこその歌だろ。

     ことばを
     欲張りすぎると
     伝えたいことが
     こころに
     響かない

     歌は
     あなたの
     こころを
     ことばで
     広げること 

 

 

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