靴磨きⅡ
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久し振りに晴れた。
満員の
電車の窓から
ああ
久し振りに
夕焼け空
ああ
夕焼けだ
遠くの小山が
藍色一色の
書割のよう
明日も晴れるかな。
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いちょうの樹、小学校の校庭に立っている。
一本の
いちょうの樹
黄色い敷物の上
校庭の端っこに
聳えている
こどもの頃、銀杏が臭くってさ、傍を通る時、息停めて走り抜けてた。辟易してた。
いまは通勤の通りがけに目にするだけ。昨日は黄色い葉っぱが一面に敷き詰められて、おお綺麗なこととか思ったりして、今は昔。
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山道で
辛抱堪らず
立ち小便
カラスに
嘲笑われる
山道の坂の途中にクルマを停めて、ふもとを見下ろしている。日頃のストレスを追い払おうと、ちょっとしたドライブへ。あいかわらずガソリン代は高いまま、ちょっとでも元を取り戻そうと、もっと景色のよいところへと、ついつい遠出に。そうこうするうちに短い冬の日は暮れかかっている。
ストレス社会がそうさせるのか、ストレス耐性のない自分が悪いのか、いずれにしてもエネルギーの無駄遣いを、この期に及んでも尚、性懲りもなく続けている。ドライブと洒落込んではみたものの、いまほどの開放感を今日は味わえたのだろうか、消費したエネルギーと排出したCO2に見合うだけの。
身震いして、坂の上を振り返れば、夜の帳がそこまで降りてきていた。
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ベランダに降りてきた雀の子に、おせんべのかけらをあげたと女房。
砂利道を
とっとこ歩く
小鳥
幼子のよう
故なく急ぐ
名前を知らない
小鳥と
遠くで
すれ違う
田舎の小道
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目も悪くなったし、足腰も弱った。
耳の遠くなった親父が
でっかい声で
電話してる
表に聞こえるよと
お袋を促す
別にいいんだけどね、聞こえたって。悪口でさえなければ。
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朝、リアミラーに映った後続車。おそらく母娘、おかあさんがなにか云ってるが、娘はそっぽ向いてて、「あっ、こりゃ親子げんかだな」と。
お嬢ちゃん
そんなにふくれっ面じゃ
ますます
おかあさんに
そっくりだよ
駐車場へ曲がったら、そのクルマは直進して駅前のほうへ。今日は試験かな、おかあさんに送ってもらったんだねえ。朝から気が立ってたんじゃ、点数期待できねえぞ。いってらっしゃい。
おかあさんも、年頃の娘には、すこしは気を遣ってやりな。昔の自分を思い出せば、似たようなもの。
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お袋も女房も「みた!」っていうし。そのあたりを通る時は、いつも気にかけていたんだけど、さっきやっと会えた!
いたよ
こんなにちっちゃな
手のひらに
乗るくらいの
おまえにそっくりの子
「居たよ、居た居た」と帰ってきても、誰もいないでやんの。しょうがないから、うちの猫に話しかけた。「おまえの子か?!」
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久し振りに三連休。ひげも剃らず、寝癖も直さず、閑さえあれば猫と遊ぶ、もしくはブログ更新(笑)。
記帳だけして
引き出しを忘れる
安心して
うっかりできる
三連休
とか浮かれてたら、もう明日から仕事だよ。
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今年の正月、伯母が急に亡くなった。早いものでもうすぐ一年にもなる。義姉にもかかわらず親父が喪中はがきを出すと言い張る。
こういうものは
定型文がいちばんだよ
謂っても聞かず
喪中はがきの文面に
拘る親父
近所とはいえ変に義理立ててもおかしいんじゃないか。お袋のいうように「まあお好きなように」ではあるが、パソコンでつくるのは俺なんだからさあ。
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長ければいいってもんでもないんだけど、これだけは別。
いつまでに
何をすればいいかって?
いつまでも
元気でいてくれりゃ
それでいいんだよ父さん
長生きできた
そのことを
素のままに
よろこべる
老いた父よ
雨の日
風の日
長生きできた
そのことだけでも
よろこべる夜
居間にふたり
たがいに
好きなことに
没頭している
父と子
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なぜか魅せられるいきもの。
魂を
鳥に
乗っけて
飛ばす
遥か彼方
晴れた空高く
鳥は
円を描く
自由の詩を
諳んじている
あなたは
鳥の姿
夜明け前
静かに
飛び立つ
日の出前、一握りの米粒を空き地に撒く。
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日々感じる、ちいさなよろこび。かすかな兆し。
しあわせは
厚くて丸くて
ほどほどに
廉く買える
鯵のひらき
いっしょうけんめい
生きてゆこう
それだけで
いいやと
決意した
もっと
よい歌を
もっと
よろこびを
それが明日
みんな、愛してるよ。
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犬や猫は他人じゃない。
朝
夏の盛り
黒い猫が
じーっと
遠くをみつめてる
年寄りの
飼い猫が
ちょびっと
舌出して
眠っている
叱られた
仔犬は
心臓の鼓動を
黙って
聴いている
目が合えばおともだち。
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お月様のきれいな季節。その代わり寒い寒い。
こんなふうに
ふたりして
仰ぎ見るとは
蒼白い月が
浮かんでいる夜明け
ふたりして
見上げる
真っ白な月
蒼白い
夜明け
真ん丸の
満月が
真上に跨る
まるで紛い物の
曼荼羅のよう
寒空に
お月様
冴え冴えと
褪めた勾玉の
照り返し
お月様
群青色の
夜のお空に
置き忘れてきた
オレンジの実
なんか、ロマンチックなんだ月夜。
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こどもたちへ伝えたいこと。
わからないことばは、自分で辞書を引くこと。
視るな
聞くな
こどもたちよ
好き勝手に
飛び立てよ
赤ん坊よ
死ぬな
生きよ
おまえたちの
輝ける未来を
きみを
見捨てたりは
しない
もうこれ以上
ひとりたりとも
あとはきみ達次第。
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愛に
飢えた
男書き狂い
けれど
恋実らず
指図すれど
世相違わず
地下に
ツテ求め
途方に暮れる
何ぬかす
音を上げ
呪い
果てに疲弊し
不平放逸
え?まだわかんないって?!しょーがねえなあ。
あいにうえたおとこかきくるいけれど……
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意味のないことばの並び…なんてものあるのか? そこに意味を見出してしまうことのナンセンス。
晴れ
のち
曇り
降水確率
時報
はい
いいえ
いいえ
はい
終わりました
鮨
鮓
寿司
すし
スシ食いてえ!
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とにもかくにも、人類はここまで生き延びたんだから。
きっと
うまくいく
なんとかなる
人はそうして
生き延びてきた
人類の希望が
潰えたことは
いまだかって
一度たりと
なかった
いのちを
貰って
生き永らえる
そのことの
奥の深さ
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田舎暮らしの上、猫飼っている。
ころころ
転がる
仔猫
ラジオのモーツァルトに
欠伸してる
伸びをして
毛づくろいして
あくびして
尻尾で
お顔隠して眠る
幾晩か
いやな夢
ばかりみる
今夜は猫を
抱いて寝る
団地住まいの頃は犬党だった女房も、いまや完全な猫派。
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